最終巻、読みました。
連載当初からその描写が話題になり、それで興味を惹かれて手を出したんですが、
読んでみると、いろいろ考えさせられるマンガだったな。
描写は確かに過激なトコロがあったかもしれんが、内容的には性の問題外にも、小学校教育と教員の問題点や、いじめ、現代の家庭が抱える子と親の問題、幼少期のトラウマによるPTSDなど。
現代日本では、実はよくある話なんじゃないか?・・・・・と思わされてしまうエピソードがかなり突っ込んで描かれていたように感じた。
本来もっとしっかり議論しなければならないにも関わらず、誰もが見て見ないふりをしている問題に挑んだ、かなり本格的な教育マンガだったといえるんじゃないだろうか?
そして、しっかり真面目な恋愛マンガとだったとも言える。
新任の若い男性教諭と、その教え子である小学校高学年の少女。
この二人の立ち位置を考えると、世間様は眉をひそめてしまいそうだけど、年齢的にいえば、それこそ十数歳の歳の差だ。
世の中、ひと廻り歳が離れた夫婦など、珍しい話ではない。
教え子が嫁や旦那だという人も、結構多くいるんじゃないだろうか?
そう考えると、相手が子供だからって、目くじら立てたりバカにしたり真面目に取り合わなかったりするのは失礼かもしれないね。
もちろん、相手が小学生や中学生の段階で、性的欲求が先行した恋愛は問題があるだろう。
だけど、まじめに相手のことを想い、プラトニックな恋愛を経て・・・・・・・誰にも文句が出ない年齢になって真剣な交際を始める様な人たちだっていると思う。
そういう経緯で付き合っている人たちに、周りはどう反応するんだろう?
それほど、白い目で見る人はいないんじゃないかな。
だけど、片方が小学生や中学生・・・・女子の場合、法的に結婚がゆるされる年齢に達した高校生だとしても話は変わってくる。
ヘタすれば、成人している方は後ろに手が回る様な話だ。
未成年の頃と成人した後でも、その想いは本質的に変わっていないかもしれないのにね。
そう考えると、なんとも言えない気分になってくる。
頭から否定するのは、ちょっと考えものかもしれない。
やっぱり、「おとなになっても気持ちが変わらなかったら」ってのが正解なんだろうけど
とは言え、大人側が入れ込んじゃったら、ダメな気もするんだよなw
難しい問題である。
その点、このマンガは・・・・・・・なかなかギリギリのところを攻めてましたね。(^-^;
りんが高校生になっても全然成長してないとかw
これはなんか、作者さんが作品に関する反応に対し、皮肉的に描いたんじゃないか・・・・・・・そんな風に感じました。
まぁ・・・・・・最後までイかなかったとはいえ、高校生とホテルはマズいでしょ、教師的にはw
最終巻である13巻の見所は、やはり卒業式か。
それぞれのキャラが卒業式という区切りを期に、各々自分の問題に一応の結論は出した感じか。
レイジが、思ったより青木にも依存していたんだな。
彼もまた、青木にとっては世話のかかる生徒の一人だったのかもしれないね。
青木との関わりがきっかけでリンへの・・・・・そして彼女を通し、亡くなった秋への依存から解き放たれたレイジが、美々とデートするまでになっているのにはビックリした。
積極的とは思えない美々・・・・・・しかも相手はレイジ。
これは、長期戦を覚悟で想い続けた美々の勝ちなのかな?
この後、二人の関係がどうなっても、お互いに強い人間として成長してくれそう。
そんな中、黒だけは本質的には変わってないのかも?!<身体は大きくなったけどなw
白井先生との友情も相変わらずで、なにより。
登場したキャラがみんなそれぞれに成長し、信頼し合うようになっていく様子を見事に描いた作品だと思う。
そうなると、成長物語とも言えるのかな??
笑えて、泣けて、考えさせてくれる・・・・・・・こんなマンガ、なかなかないよ?
話題になるくらいのギリギリ描写で、なかなか手にとるのを躊躇する人も多いと思うけど、気になっているのに読んでないんだったらもったいない!
ぜひ、手にとって読んで欲しい。
素晴らしい作品ですよ。
さて、世間の評判はどうなっているんでしょうか?
その一部をピックアップしつつ、個人的な感想や感じたことを書いていきたいと思います。
ほんのちょっとでも教育という視点を意識する方がこの記事の読者の方にいるのであれば、手に取って頂きたい。 書店で買うのに抵抗がある? いいや、これはバイブルである。
(『こどものじかん 13』私屋カヲル(双葉社) - harenaと北辰テスト)
全く、同意!
抵抗を感じる人ほど、読んで欲しいですね。
「こどものじかん」は女性作者の視点から小学生と教師の恋愛を、現代社会にありがちな生々しい問題と絡めながら描きだした作品で、しっとりとしたロリの描写や、子供に依存する大人と、大人に依存する子供が、主人公との関係の中で成長していく様子などが作品の特徴で、シリアスなストーリー展開と娯楽性をうまくバランスさせた魅力的な作品でした。
(Geekyニュースblog : 「こどものじかん」終わる 最終巻13巻発売)
本当に、絶妙なんだよね。
笑いとシリアス、
優しさと厳しさ、
楽しさと怖さ・・・・・いろんなものが、絶妙なバランスで描かれているから、楽しんで読めるけども、しっかり考えさせられるんですよ。
そして最後は3年の月日がたって・・・りんちゃんがぜんぜん成長(身体的に)してねええぇぇーー!! 私屋カヲル先生わかってるーー!! まあそれはともかく成長したことでりんちゃん以外のキャラが救われる道に進み、特にレイジが前に進めてよかったなと。
(「こどものじかん」第13巻、ついに完結!りんちゃんは大人の階段上った。私はロリコンの階段上った。 MA-SAブログ/ウェブリブログ)
特にレイジ。この巻でも何だかんだで一時は色々と危ない所がありましたが、しっかりりんの保護者になっていて個人的には裏主人公だったんじゃなかったんだろうかって思うぐらいです。 最初の頃の危なさはこいつヤバイわぁっと思っていたわけですが、それがねぇこうも変わるとは。
(E.M.D.2nd こどものじかん 13巻 - りんと青木の関係は・・・ -)
レイジなんて、オマケだと思ってたのに・・・・・最後にレイジの成長・・・・というか前進を、喜ばしいと思うようになるとは・・・・。(^-^;
リンが成長していないのは、最後までヤッてくれたな、私屋カヲル!・・・・って感じw
りんが犯されそうになったりするシーンには手に汗握った!!
(何かよくわからん気まぐれBlog : 受験に犯人探しに卒業・・・そしてエッチへ!? 漫画「こどものじかん 13巻(完結)」を読む!!)
最後の最後で、鬱エンドになるかと思ったよ。(-.-;)
白井先生が宝院先生に泣きながらお願いするシーンや、青木先生の電話を受け取ったレイジの号泣シーンとか見ていたら私もジーンとして涙ぐんでしまいましたよ (´;ω;`)
(スパにゃの戯言 こどものじかん13巻 (私屋カヲル))
そういや、白井先生も変わったよなぁ。
法院先生に、あんな事言うようになるとは・・・・・・感慨深い。
教師陣の信頼関係が強くなっていった部分も、見どころのひとつでしたよね。
好きな物こそが人生の幸せの糧になるという青木の言葉が胸に染みますね。 式が終わっても泣くのを堪えていた青木先生ですが、意外な事に黒が真っ先に泣いたのを見て我慢の限界となり、二人で抱き合って別れを惜しんでましたよw 憎らしい子ほど可愛いとは良く言ったものですね(^^;
(カートゥン☆ワールド~漫画の世界~ レイプ危機を乗り越え男性教師が女子児童とラブラブSEXエンド!「こどものじかん」最終巻)
黒が一番変わっていないと思っているんですけど、このシーンなんか見ると、やっぱ変わったのかな?
毒舌は、変わってないけどさW
青木先生とりん・・・そして其々の絆が収まるところに収まって 本当の意味で大団円!って感じの最終巻でしたねー 特に最後のりんの告白は・・・ドキッとしちゃいましたわ・・・あれは男殺しだw
(徒然なる一日 : 【旅立ち、そして生えた(ぇ】こどものじかん 第13巻)
小悪魔なのは変わっていないw<エロいのもな。(^-^;
けど、中身は・・・・・・あれ?小学校卒業してから、もしかして一番変わっていないのはりんか?!
まぁ、卒業までに十分成長していたしね。
むしろ、変な形に歪まずに済んだのが、奇跡なくらい!
過激な表現もたくさんあったけど、小学校教師という仕事の過酷さが真面目に描かれたすばらしい作品だった。ついつい違うところに目が行きそうになるが、心温まる純愛の物語だった。
(マンガとかラノベ等の感想ブログ 小学生女子と教師の恋愛もついに結末!!「こどものじかん」13巻 感想)
純愛?・・・・・純愛で良いのか??・・・・・まぁある意味純愛的なものを「貫いた」形になるのかなw(;^_^A
本作の主人公・九重は,担任の教師・青木に恋する小6生だ。それだけならいいのだが,その好意の寄せ方は相当エロく,直接的なものである。この辺りが一部のお固い向きから憤激を買うんだろうが,そこを私屋は「都条例をクリア」する表現で,最大限の効果を得るべく描いているのである。この辺の見せるテクニックは非常に巧みで,萌えの極地のような絵柄と名人芸レベルに達した構成で読者を引きつける。「あざとい」と形容するのがピッタリだ。そしてこのあざとさが,都条例をクリアしているにも関わらず,憤激を買う原因になっている。これに規制の網をかぶせようとすると,もっとぼんやりとしたシチュエーションを規定せねばならず,現在問題なしと見られている他作品への影響が大きすぎるということになる。そこがまた規制派の方々のイライラを募らせている原因なのかなぁと想像するのである。
(うだうだWeblog: 私屋カヲル「こどものじかん 13巻(最終巻)」「こどものじかん ほうかご」双葉社)
この作品、ちゃんと読まずに批判しているヤツ、多いんでしょうね。
たしかに「あざとさ」は否定出来ないと思う。
ただ、ソレだけじゃないのが、この作品の素晴らしさ。
この作品をちゃんと読んで、それでも規制すべき作品だと言い出したら、規制派は負けな気がしますよ。
確かに、規制派にとっては厄介な作品かもしれませんね。
一番最初に「過激な表現がある漫画」として話題になっていたけど、 実際は人間誰でも嫌な過去やトラウマはある、それとどう向き合っていくか、 どう整理をつけて歩き出すか、というのが根幹にある話だった。
(ひすてま: 「こどものじかん 第13巻(最終巻)」感想 教師と小学生の成長物語、堂々の完結)
これ、絵的には子供に読ませるのはどうかとも思うが、お話的には子供にも読ませたい作品なんだよねぇ・・・・・。
そこがまた、なんとも・・・・・・。(^-^;
喜多村英梨 バンダイビジュアル 2009-02-20
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